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店を出ると駅へ向かっていつもの道を歩いた
いつもと同じ距離を保ちながら賑わう人の中をゆっくりと歩く
「俺…後悔していませんから…告白したのも、雪野さんを好きになった事も全部」
滝本君の真っ直ぐな想いに答えられない…それが申し訳ない
けれど…同情から気持ちを寄せる訳にもいかないし、そんな事しても滝本君はきっと嫌がる
滝本君の気持ちが、嬉しくて…痛い
いつもは何気ない事を話して笑っている時間が長く…静かに過ぎていく
「ホームまで送らせて下さい」
「でも…」
私がいつもの様に断ろうとすると
「これで最後にしますから」
そう言って寂しそうに笑った
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