紡ぐ者

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「お疲れ様です」 営業部屋に1日を終える声が一つ、また一つと響いては人気が無くなっていく 気がつくと中にいるのは私と滝本君だけになっていた 「先帰っていればいいって言ったじゃないですか」 滝本君がキーボードを叩きながらブツブツと垂れる 「私がやるって言ったからいいの!!先週は手伝ってもらってばっかりだったでしょ」 自分のデスクワークは終わっている 今やっているのは滝本君の分 馴染みのある顧客への書類作成だ 「先週のは…半分下心です」 その一言にかるく吹き出した 「もう半分は?」 「純粋に手伝いたかった…後は勉強です、いつか雪野さんを追い越すための」 「それは心強い!!」 私はキーボードを叩きながらふふっ…と笑った 「ああっ!!お腹すいた!!」 滝本君が吠え出した 遂にお腹のカラータイマーが鳴り出したようだ 「牛丼行きましょ!!牛丼!!」 この時間から牛丼…って辺りが若さなんだろう この年になると胃に堪える 時計をちらっと見て 「キリのいいところになったらね」 と言うと 「はいっ!!」 と威勢のいい声が返って来た
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