** 帰郷 **

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私にすれば、やっと母の呪縛から解放されたようなものだ。 自分の自由な時間。 この土地では、誰も母のことは知らない。 知っているのは私のことだけ… 母の影を感じることはない。 こんなにも、身も心も軽くなれるなんて… 私はこれ幸いに同僚や友人と遊び回り、同じ会社の2歳年上の男性と恋をした。 もう彼とは一年以上付き合っている。 彼からは言われてはいないが、私の中ではそろそろ“結婚”もちらつき出していた。 それでも、お互いまだ若く、私の中では彼との結婚が仄かな“憧れ”となっていた時期だった。
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