揺れるリンゴ

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はい。とにっこり笑った新田ちゃんが、 スマホを私にさしだす 「迎えに来てくれるってさ。 加納さん ほら、吉崎くん衣千香を甘やかさないのっ。」 そう言い 私の頭に置かれた彼の手を払いのけた 吉崎くんは少し痛そうに 払われた手をさすって 小さなため息をひとつついた 「ごめん…ね?」 慌てて声をかけると 吉崎くんは何も答えず いつもの… 少しはにかんだ 照れ笑いをした 「本当につき合ってんだなぁー」 感心したように河瀬君が呟いた 「本当にって?」 「前にさ、噂になってたんだろ?」 「懐かしいねー。あの時からじゃない?吉崎くんがイチって呼び始めてさー」 「あん時は、加納さんってゆーか 吉崎と付き合い始めたかと 勘違いしたよなー ぅわー、懐かしいな!」 「ねーねー 前から気になったんだけど 2人はさ、彼女いないの?」 うぁーーー!! なんて酷な。 2人はあんたが好きなんだよ… 新田ちゃん。。。 そんな、彼女の急な質問に 「俺は、しばらくはいいかな…」 それはそれは しょんぼりと河瀬君が零した ぁ~。
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