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あの人は、柳さんが淹れたであろうコーヒーを片手に持ち
ジッと私を見据える
あの目。。。
感情の感じれない色のない目
あの人は何を考えているんだろう
どうして視線が絡み合うんだろう…
どうして あの目に弱いんだろう
あの人に意識を奪われ
周りが見えて居なかった…
あの人を見つめるもう一つの視線があることにさえ
気づかずにいた
「いーーちかっ」
名前を呼ばれると同時に肩を叩かれた
「…んぱい」
「休憩行かない?」
見上げると、いつもと変わらない
優しく微笑む先輩
「いく。」
先輩は更にニッコリと笑い
身体を翻した
…。
そっか、会社だもんな
休日の先輩なら確実に手を取って歩き出してた…
なんとなく放置された右手が寂しい気がする
先に歩き出した先輩が少し離れた所で立ち止まり
首をヒョイと回し私を呼ぶ
「おーい」
「あっ、先輩待って!!」
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