イチゴレッド

2/26
783人が本棚に入れています
本棚に追加
/259ページ
「加納さん」 名前を呼ばれ声の方に振り向くと いつも受付に座っている飯島加奈子… 慌てて受付から走って来たのか すこし、息が乱れている 「おはよう。飯島さん」 「おはようございます」 受付という仕事柄か 化粧も髪も完璧なくらいに整えられ クスリと笑い吊り上がった唇は 不気味なくらいに紅く… サイボーグのように感じてしまう 「加納さん、金曜日来るかと思ってたんですけど…」 「ああ。津幡の?」 「はい。私、加納さん来ると思って楽しみにしてたんですよ」 そう言いながら飯島はジリジリとにじり寄る あーーーーー 香水臭い 朝から勘弁してほしいよ 「俺そーゆうの興味ないから」 「残念ですぅ。じゃあ、二人ででかけませんか?」 は? どこで、どうなったら そうなるんだ?? 飯島は、カワイイ顔をしていると思う 自分でも自覚してるんだろう でも、相当な馬鹿だな。 「津幡に何て聞いてるか知らないけど オレ、彼女いるから そーゆーの迷惑」 「そーなんですかぁ」 流石はサイボーグ! 全く表情を崩さずに笑っている ある意味恐ろしい。 飯島はニヤリと笑い 「私、気にしませんから 加納さんに彼女がいても じゃ、そーゆーことで★」 フフっと笑いながら 踵を返し受付に戻って行った
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!