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柳さんの視線は、梯
そして、そんな梯もまた
何かをジッと見ている
その視線を辿れば
…衣千香…
なぜ梯は衣千香を
見ている…
衣千香…
梯とは何か関係あるの？
嫌な考えが頭を駆け巡る
衣千香を見続ける梯の視線が急に変わった
強い強い眼差し。
はっと
衣千香を見ると
衣千香は梯の視線に捕まり
見合った状態に…
衣千香の目にアイツを映したくない
そんな衝動に駆られたオレは
衣千香を休憩に誘い出した
それにしても、柳さんの想い人が梯とはねーー
ちょっと影の薄い子であんまり話す機会もなくて正直どんな子か知らない…
柳さんと梯がどーにかなってくれるのが俺にとっては望ましいんだけどなー
「衣千香」
名前を呼べば、少し照れくさそうに微笑む衣千香。
昨日のキスで少し俺に対する意識に変化があったのか新鮮だ
衣千香の小さな唇は、下唇がプックリとしていて見ていると無性に貪りたくなる
そんな邪な俺の気持ちも知らず
「先輩？」
首を傾け不思議そうに訊ねる
「キスしたいなって…」
衣千香の耳元に唇を寄せ囁くと
ひゃっ
衣千香は両肩を竦め
頬を赤らめた
…かわいい
「可愛いね、衣千香」
「せ、せんぱいっ！変なこと言わないで下さいよっ！！」
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