イチゴレッド

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すぅーーーーーー。 深く深く息を吸い込む 決戦は金曜日…なんて歌もあったな 今日の俺になんてピッタリなんだろう… 毎晩、衣千香と夕飯をとり 家まで送り届ける そして、今夜 予告通り衣千香の家に泊まるつもりだ 衣千香の日常に俺を刷り込む いや、衣千香自身に…俺を刷り込み 馴染ませる 着替えを忍ばせている鞄を握る手に力が入る 「おはようございます」 受付の飯島がサイボーグのような微笑みを俺に向けるが 「おはよう」 俺は素っ気なく挨拶を交わした 要らない誤解は生まぬが吉だな エレベーターに乗り込むと 前方に梯がいた 「課長、おはようございます」 梯はオレをチラリと見て 「おはよう」 ここにもサイボーグがいたよ… 梯って笑うことあんのかな? 横目でチラリと梯を観察していると スッと顔をこちらに向けた梯の視線と絡み合った 梯は涼しい顔で 「何か?」 「いえ、この時間の出勤って珍しいですね」 そう、梯はいつも早い時間に出勤している この時間にエレベーターが一緒になるなんて珍しい しばらく沈黙が続いたが 梯がフッと笑い 「猫の躾をしていたもので」 …わ、笑った。。。 梯が顔の筋肉を緩めるなんて まじか。 「猫ですか…」 「はい。」
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