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「俺合わせて数人が編入したとは聞いてはいた。ここは一貫教育が基本だから事情かなにかないと編入は認められないらしいな。」
「そうね。帰国子女とか海外のお偉いさんの子供とかでないと滅多に認められないわよ。貴方は帰国子女なの?」
「いいや、俺は推薦入学で入った。」
「へぇ。」
感心したように寧音は言う。
「推薦で入学ができるなんて初めて聞いたわ。優秀なのね。」
デュフフ…いや、けして照れてはいないぞ。
「それほどでもないさ。失礼でなきゃいいけど、黒鷺 寧音は国連魔術師にでもなるのか?というか魔女か?」
「フルネームで呼ばなくていいよ。そうだね、やっぱり家のためかな。ていうか魔女って………」
ネネは苦笑いを浮かべていた。
委員長であり、金持ちのご令嬢なんだろうが……実に弄りがいがありそうだ。
――同じクラスだったら面白そうだな。
そんなふうにはハクリは思った。
読者の皆様、もうお分かりですか?彼は………Sなんですよね。
べ、べつにドSじゃないからね!!
魔導バスがやってきた。
乗客はハクリとネネの二人だけだった。
バスの後部のボックス席に向かい合って座る。
「編入生は他に見当たらないな。まさか俺一人じゃないだろ?」
「たぶん留学生達は少し早めに学園に到着しているんじゃないかな。君とは身体測定か精神測定からの合流だよ。」
精神測定?なんじゃそりゃ?
「そうなのか…………お」
ハクリは窓の向こう光景に思わず声をあげた。
空を駆ける魔導バス、眼下に船橋市、遥かに『魔石第二学園』の全景が見渡せたからだった。
学園は海上に造られており、学園の広さはかの有名なディ〇ニーラ〇ド級の土地が海の上にあった。
学園の中央に建つひときわ大きな学び舎は白く輝いていた。
「説明とか、する必要はないと思うけど、学園は五十年前にいた十二人の英雄により建てられたんだって。学園の校舎には意志があるって話だよ。たまに失踪者も出てるくらいだから注意してね。」
「注意する。学園に嫌われないようにするしかなさそうだからな。俺に野望を果たすためにこの場所に来たんだからな。」
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