第一章

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そして、馬も一頭牽いている。 「ついて来い」 そう言うと、リオンは騎士達を一瞥し、馬を走らせる。 あんな奴でも王の民。そう我慢して、騎士達は着いて行こうとするが、レオンは騎士達に言った。 「皆は急ぎ、救援を求めてくれ」 「そんな、彼一人で行かせるつもりですか!?」 「いや、私も行く」 「ならば、我々も!」 当然、騎士達もついて行く意思を見せるが、レオンは頑なに拒否する。 「いや、村の惨状は私の過去の失態だ」 「隊長。それは結果に過ぎません。我々からすれば、運が悪かったとしか…」 そんなレオンに、ハロルドが言葉を躊躇いながら事実を口にする。 「…分かっている。だが、私の軽率な行動の為に、家族には辛い思いをさせてしまった。これは私の罪滅ぼしだ。皆、すまん」 レオンは一言謝りを口にし、馬を走らせた。 その後ろ姿を見つめる騎士達は、顔を見合わせるばかりだった。 ☆☆☆☆☆ 会話を拒むリオンと、話し掛けられ無いレオンの二人に、言葉は無かった。 明らかな復讐の憎悪を燃やすリオン。ただ、過去の失態を償おうと参加するレオン。二人の感情に差は大きい。 三時間の道のりは長く、リオンは愛する者を奪った者への怒りを佛々とたぎらせていく。
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