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レオンは、リオンの豹変ぶりに戸惑いながらも、なんとか生き延びる方法を模索しながら、戦略を立てている。
そんなレオンの考えを知る訳も無いリオンは、山賊の住む山に入り込むと、隠れる事もせず山に油を撒き火を放った。
「お前!」
「元々、一人で殺るつもりだった。準備くらいしてるさ」
「………」
三十分もすると、火は山頂へ駆け上がって行った。
「出て来ないな…」
「留守だったか?」
リオンはふざけた様に、レオンの言葉に重なった。山一つ燃やして、何を呑気に言っているのか。
しかし、住処を追われた動物達の鳴き声とは別に、焦った人の声も聞こえてきた。
「くそっ。早く逃げろ!」
「煙を吸うな!」
「急げ!」
焦る声は、リオンの顔を不気味に歪ませた。声のする方へ、リオンが馬を進める。
その先に、数人の男達。身なりは汚らわしい薄汚れた毛皮の腰巻きに、垢で黄ばんだシャツと、毛皮のジャケットの様な服装だった。
髭は伸びるに任し、何日も風呂に入っていない成りは不快感を与える。
明らかに山賊だ。
リオンはボーガンを構え、男の一人に矢を放った。
「ギャー………くそっ。誰だ!」
リオンは隠れてもいない。
山賊達は、リオンを認めると憤怒の表情で駆け寄る。
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