第一章

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「矢を放ったのは、お前か!」 「……」 「答えろ!」 答える代わりに、リオンはボーガンの矢を装填する。 そして、山賊の脳天に矢を放った。 ひっくり返る山賊を一瞥し、次弾を装填する。 「貴様~!」 「殺っちまえ!」 山賊達は蛮刀を抜き放ち、リオンに振りかぶる。 刃渡り40cm程の武骨な鉄板に刃が付いただけの蛮刀は、リオンに届く前に山賊の手から落ちた。 リオンは冷静に山賊Cの脳天に矢を穿った。 「分かるだろ。あの村の生き残りだ。楽に殺すと思うな」 隣の山賊の蛮刀を受け止め、リオンは憎悪に満ちた目を向けた。 騎上から胸を蹴り、怯んだ山賊Dの目を刺す。 「あ~~!!!」 叫ぶ山賊の、続けて腹を足を腕をと裂傷を刻み込む。 蛮刀を落とした山賊D。 馬から降りたリオンは、その蛮刀を拾い、山賊Dの腹に突き立てた。 「おい。クズ野郎。お前の仲間は何処だ?」 「山火事で、皆バラバラに逃げたんだ。知るか、あ~!!!」 不貞腐れた山賊の態度に、リオンが腹に突き立てた蛮刀を捻じる。 「口に気を付けろ。殺し方なんざ幾らでもある。…許す気はないが、いたぶる趣味も無い」 肩で息をする山賊に冷たい無表情のまま、リオンはボーガンの矢を足に刺し、その矢に松明を近付ける。
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