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それは、ソル達と共に行動することになったレッド達と別れ、単独で行動したグリーンを突如スパーク団と共に襲いかかってきたというのだ。
その話は初耳なのか、エリザベスは驚いた様子で三人に声をかける。
「なんだって!?
…どういうことだね、ユリ君」
「確かに、未だに疑いを抱くのは仕方がないのかもしれませんね」
「…なぜ俺に勝負をしかけてきた…?
お前…最初から…」
エリザベスの問いに答えず、未だに疑われていることにユリは悲観することなく、あっさりと話す。
グリーンは、ユリに何故グリーンを襲ってきたのかと話す。
まさかとある疑問を既に抱いていたのか、グリーンの呟きにユリは冷静に返事をする。
「察しがよろしいようですね
…その通り、最初からグリーンさん…いえ、カントーから来たあなた方四名様に、"ソル様に警戒させて頂くために、わざと襲わせて"いただきました」
「…あっさり俺に負けたのも、お前が名前を名乗ったのも、あの時の計画的な様子はその為か…
俺達に、ソルはスパーク団の一員かもしれないという、疑い目を向けさせるために…」
「…どういうこと…?」
「ソル君に疑いとは…一体何故?」
ユリは、グリーンを襲ったのはわざとだと話す。
それは、ソルに警戒心を抱かせるためだと説明する。
そのことにグリーンは、ユリが襲ってきたにもかかわらずあっさりと負けて名前も名乗ったのも、全てこのためだったのかと理解した。
話の意図がわからないヒナタとエリザベスは、どういうことなのかと二人に質問をする。
「決まってますよ、ソル様に対する監視です
まだ出会って日の浅いあなた方ならば、少なからずソル様に疑いの目を向けます
となれば、そう簡単に目を離すわけにはいかないでしょう
敵にしろ味方にしろ、あなた方は嫌でもソル様を監視するはずです
…そう、ソル様を注目してくだされば、何か身に起こる危険性が下がるだろうと実行しました
…結局、それも無駄な徒労に終わってしまいましたがね
ソル様はアジトに侵入していましたし、結果的に連れ去られてしまいましたし」
「…そのために俺達を利用しようとしたわけか…
…それが…お前の真意か…?」
「当然です
どんな手を使ってでもルナ様とソル様を守る、それが私の使命なのですから
ですが…やはり現実というものは、そう簡単に上手くいかないものですね」
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