第十話.七つの大罪「怠惰」

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一体何がわかったのか、エリザベスとグリーンは互いの顔を見合わせて理解してない様子だった。 しかし、ヒナタは違った。 ユリの先程の発言、「ただの人間"でした"よ」と聞いて理解した。 ソルは以前は普通の人間ではあるが、今はただの人間ではないとのことを。 それを理解したヒナタは、また小さく口を開く。 「ならソルが連れ去られたのは、それが理由なのかしらね… 一体、記憶を失う時にソルは何があったのか…」 「ご想像にお任せします」 「…そうね、そうさせてもらうわ… …したくないけどね…」 「おや、なぜでしょう?」 「…嫌な予感しかしないからよ…」 「おい、それは一体どういうことだ」 ソルが連れ去られた理由について、ユリは想像に任せると話すがヒナタはそれをしたくないと呟く。 そのことにユリは質問すると、嫌な予感しかしないと話す。 それを聞いたエリザベスとグリーンは、また顔を見合わせるとグリーンがどういうことなのかとヒナタに訊ねる。 しかし、ヒナタはそれを話したくないのか口篭るがゆっくりと話そうとする。 「…それは…ソルが…」 「待ってください、皆さん」 急にユリがそれを遮るように声を出し、曲がり角近くで身を隠すような動作をする。 それに気づいた三人も同様に姿を隠すようにすると、ユリはゆっくりと廊下の先へと覗き込む。 「どうしたんだい、ユリ君」 「…あれを見てください」 ユリの行動にエリザベスがボソボソと小さな声で話しかけると、ユリも同様に小さな声で返事をする。 あれを見ろと言われ、三人はそれぞれゆっくりと覗き込む、すると視線の先には影人形達が一列になって歩いていく姿が見えたのだった。 「っ…影人形…!」 「あっ…あれがヒナタ君が今まで道中に会ったという化物か… 見た目は人だが…顔が…」 「穴が開いたようになってるな… あれなら顔無しのほうがよっぽどマシだ…」 「凄い数…でも…一体どこに向かってるのかしら…」 ヒナタ達が覗く先にある影人形達は尋常じゃない数だった。 しかも、それぞれまるで囚人のように一列となってゆっくりと進んでいることに、奇妙なことに見えていた。 今まで出会ったのは、まるで警備するかのような存在で排除しようと襲いかかってきた。 時には巨人のような影人形も居れば、昨夜の墓地でのようにポケモンへと姿を変えた者もいた。 しかし、彼らの様子は今までとはあきらかにおかしいのだ。
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