プロローグ

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この学園はおかしい。 それに気づいたのはいつだったか、気がついたらおかしくなっていた。 この学園は幼、小、中、高とエスカレーター式で、全寮制の男子校だ。そのためか、滅多に来ない外部生以外ほとんどが同性愛者という、恐ろしい学園だった。 高等部に上がる頃には親衛隊という者ができ、元から親しい者はいなかったのがさらに周りから遠巻きにされていた。廊下を歩けば視線を集め、食堂に行けば親衛隊の悲鳴に「抱いてー!」等のふざけたセリフ。 冗談じゃない。 自暴自棄になった俺様は、まわりから心を閉ざしていた。 元からこの学園の生徒に心を開いてはいなかったが。 生徒会に入ってからは忙しい毎日、生徒会の他の役員からは在りもしない噂のせいで嫌味を言われ(主に副会長)、イライラが頂点に達したときだった。 「こんな時期に転入生なんて、珍しいですね。」 そんな副会長の呟きを聞いたのは。
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