第二十四話「混浴リビドー」

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聞き慣れた声。 やけに低い位置からの声。 うんざりしながら目線を下げると、案の定そこには僕のルームメイト兼クラブメイトの檜山英司が両手両膝をついていた。 いわゆる土下座の姿勢である。 「何やってんのさ、英司」 「それはこっちのセリフだぜ大地!」 いや、こっちのセリフで合ってるはずだよ。 「お前、さっきから黙って聞いてりゃあ!何なんだよお前!せっかくの混浴で何もしなかったっていうのかよ!」 ああ、早く帰って晩ご飯食べたい。 「お風呂で普通に入浴して、何を責められなきゃいけないのさ」 「責めるわ!まず混浴してる時点で責めるわ!このリア充が!俺をほったらかして混浴とかしてんじゃねぇよ!俺も誘えよ!」 「嫌。英司と混浴とかありえない」 「と、綾子が言うんだからしょうがないじゃないか」 「くそう!くそう!何なんだよ!何で大地ばっかり混浴して!しかもあの綾子様のNice bodyを目の当たりにして反応しないだと!?お前それでも男かよぉ!」 「いや、今更綾子の裸とか見てもねぇ」 夜這いとか拉致監禁とかを夏休み中に散々経験したおかげでいつの間にか耐性がついた、という意味なのだけれど。 「そんな、大地……みんなの前で言っちゃだめだよ」 綾子は何故か頬を染めて俯いてしまった。 さっきまで平然と裸体を晒してたくせに何言ってんのさ。
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