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それはきっと、この世界になくてはならないもの。
何故なら、この世界は、きっと誰かの欲望を満たすために存在しているのだから。
これが正解なのかは分からない。
正解を導き出せば問題が解けるのかも分からない。
けれど、やってみなくちゃ何も分からない。
だからこれも、実験なんだ。
「英司。君のリビドーを、僕に分けてくれないか」
「それは、どういう意味だ大地ちゃん」
「僕はこの世界での目的を見失いそうになっていた。いや、多分もう見失っている。だから、まずは目の前にあることを成し遂げたい。その手伝いを、君にしてもらうよ、英司」
「見返りは、ちゃんともらえるんだろうな?」
僕は微笑み、頷いた。
「ああ、綾子と沙菜様の二人との混浴権。これを約束するよ」
「大地……心の友よ!」
この地下学園では、約束を破ることができない。それがルールだ。
この盟約により、英司は僕の手伝いを断ることができず、僕は英司と綾子と沙菜様を混浴させなければならなくなった。
「って、何勝手に約束してんのよあんた!え、英司と混浴とか、そんなっ……」
「大地、酷い。あたしを物みたいに……でもそんな鬼畜な大地も新鮮でいいかも」
アホの子綾子ちゃんはともかく、沙菜様を混浴させるには一工夫必要となるが、それは後からなんとでもなるだろう。
「そんで。成し遂げたいことってのは、やっぱアレか?」
英司は立ち上がり、膝の土を払いながら言った。
「ああ、そうだ。ぶっちゃけ全然やる気なかったけれど、試しに本気でやってみようと思うんだ」
「そうか。楽しくなりそうだな」
英司は拳を突き出し、僕もそれに自分の拳を重ねた。
「ああ、楽しいものにしてみせるよ、学園祭」
学園祭実行委員長。
僕は今日、その役割を全うすることを、改めて決意したのだった。
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