第3章

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イベントは大成功をおさめた。 アウトレットの売り上げは過去最高で、そのことからしてもイベントの影響は大きい。 私は通常業務に戻り、いつもの様に事務の仕事に追われる毎日を過ごしていた。 お祭り騒ぎが終わった後の高揚感は暫く続いたが、仕事に対する思いとか、考えとかの変化を感じている自分を感じる。 日常を取り戻し始めたころだった。 パソコン画面の右端にある小さいアイコンが、青く点滅している。 作業をしている私は、メールがくると開けてしまう癖で、作業を中断させてそれを開く。 『アキラ、今さっきNYから着いたよ。 空港にむかえに来て。』 ??? 私の頭にハテナマークが飛び交う。 どう頭をフル回転させても、NYに行っている友達も知り合いもいない。 もしかして間違って送られてきたかもと、浮かんだ。 宛名を確認すると、「デザイン室 米澤卓也」と記されている。 よねざわたくや?デザイン室? 米澤卓也! 彼の噂はよく知っている。NYのデザイン室に二年ほど前異動になり、今我が社で期待をされているデザイナーだ。 彼のデザインを好きな女子は社内でも多く。なりより、ベビーフェイスで甘いマスクの彼ゆえに騒がれていた。社内誌で紹介された彼しかしらないが、紙面を飾る写真だけみるだけでも、彼のイケメンぶりは伝わってくる。
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