0人が本棚に入れています
本棚に追加
「さてと、持っているのは
…これだけ?
シケてるわねぇ、
狼って儲からないの?」
ティークの狼は泣きました。
赤ずきんに身ぐるみを剥がされたことではありません、
まさか自分がカモになるとは毛ほども思っていなかったのです。
それも自分が襲おうとした女の子に。
「狼は金銭目当てじゃないからぁっ
その日食べていければいいんだよぉぉおおっ」
狼は大号泣しながら、
赤ずきんの足にしがみつきます。
「それはそれは大変そうで、
あ、その首に下がってるやつ高そうね」
相変わらず人を見下しているような顔つきの赤ずきんは、
狼の首に下がっているものをふんだくりました。
「ちょっと待ってっ!
それ殺された彼女との思い出の!!」
「知るか。
未練タラタラの男なんて鬱陶しいだけ、
この際、忘れちゃいなさい」
恋愛経験ゼロの赤ずきんですが、
恋愛マスターみたいな格言めいたことを言いました。
最初のコメントを投稿しよう!