淡色の珈琲

第3章

９月。
私が失恋してから、約１年が経とうとしている。あれからの話を少ししよう。彼は二人目の子供が産まれてすぐ、大阪支社の方へ移動になった、部長として。大変立派な役職になったのだが、子供が産まれてすぐに異動とは、悲しいことやら素直に出世を喜べばよいやら。彼は苦笑いを浮かべていた。困った時の癖だ。ということは、この異動は彼にとって喜ばしくないらしい。小さい子供と奥さんはこちらに残し、単身赴任という形をとったそうだ。

そして、私のこと。
彼氏はできていない。誘われた合コンに参加してはいい雰囲気になる人ができるのだが、私が乗り気でないため、いつも上手くはいかなかった。