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拳を握りしめ、覚悟を決めて、最低限のルールを伝える。
たとえ私にとって有利な賭けであったとしても、それが守られないならば、問答無用で帰ってやるんだから。
「まさか。僕はそこまで飢えていません。ご心配なく」
あ、この男。今、鼻で嗤いやがった。
18のガキに欲情するかっていう顔してる。
……なんだろう。
めちゃくちゃ腹が立つんですけど。
「では、もう一度聞きます。自分で3億稼ぐか、20歳まで僕の元で家事一切を頼まれてくれるか。貴女の意思で決めて下さい」
簡単な選択でしょ? と、片唇をクッと持ち上げて鷹城さんは嗤う。
「……わかったわよ。その代わり、絶対手は出さないこと。これが条件だからね」
「了解しました。契約成立ですね。後から反故には出来ませんので、そのおつもりで」
「そこまで根性なしじゃないわよ! バカにしないで」
やると決めたからには徹底的にやってやる!
目の前にそびえ立つ超高層マンションを、私は親の敵の如く睨み付けた。
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