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何故見落としていたのだ?
言ってたじゃないか。
なのに何の違和感もなく俺達は平然と探索していた。
天乃瀬 ながめの自宅を――
『まずそれ以前に外には出れても自宅に帰る事は出来ません』
もし本当なら俺とながめが訪れたあの場所は何だったのか?
どんどん底無し沼に落ちていく気分になる中、黒髪の優等生は更なる驚愕の台詞を述べる。
それが全ての疑問の線を繋いだ。
「貴女は元の世界に帰れません」
夕陽が落ちないままの時間の判らない世界。
何故か仕組まれたように存在した天乃瀬 ながめの記憶の場所。
斉賀 焔の変だと思わないの言葉。
そして俺が見た映像。
ここは――
「現実世界じゃない。いや、そこが問題ではない。俺達はまさか……」
「そのまさかね」
斉賀が同意するように参加する。
合点してしまうじゃないか、現実世界じゃない。更にここに来るまでの記憶が綺麗に途切れている。
こんなデタラメな出来事が起きるとしたら――
「俺達は……死んでいるのか?」
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