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「死んでいるのか……俺達は?」
「正解です。よく出来ました」
パチパチと手を叩く黒髪の優等生。
小学生扱いかよ? と悠長に口に出す余裕はなかった。それ所では全くなかったのだ。
そして俺は後悔してしまった。
もっと早くに気付いてもおかしくなかったのに――
どうして俺は――
「は……? 私が死んでいるだと? ……そんな馬鹿な……」
席から立ち上がり、桔梗の少女は乾いた笑いをしながらそう言う。
信じられないのも無理はない。
だが、俺は何となく信じられる。
その差は明らかだ。
「私の記憶に死んだ覚えはない!」
身体をガクガクと震えさせながら叫ぶ。
薄々感じているのかもしれない。
感じずにはいられないだろう。
今彼女は必死に記憶を振り返っている。
ここに来る直前までの出来事を――
「何故だ? 何故思い出せない? 全て思い出した筈なのに……どうして……?」
「思い出せない? おかしいですね。なら貴女は何を思い出したのでしょうか?」
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