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はぁ、…もういい。
ウダウダ考えるのは苦手だ。
とにかく、家に連絡だけはさせないと。
「わかった。…母さんが良いって言うなら仕方ない…。その代わり今すぐ家に連絡入れろよ?何かややこしい事になっても、俺は知らねーからな?」
「うん、わかった。電話お借りして良いですか?」
「どうぞ(笑)」
母さんが笑いながら電話の場所まで二人を誘導し、すぐに辻野が家に連絡を入れていた。
…が、
小西は辻野が電話を終えても、受話器に手をつけようとしない。
…………
もういい、知った事か。
どうせコイツ等を泊めれば、いくらコイツ等が「誰にも言わない」と言った処で、必ず誰かにバラすだろう。
女ってのはそういうモンだ。
なら、俺に出来る“妙な疑い”を受けない様にする為には―
もう無視。
あくまで無視。
『俺には関係ない』という態度を貫く事、これしかない。
…その後、小西はどんなに辻野に言われても、受話器を取る事はしなかった。
そして…
案の定、そんな小西の親が心配して、方々に連絡したんだろう、
その情報を知った、部員達から電話の嵐が来た。
母さんが出ても、部員からの連絡だから俺が出なきゃいけない。
電話が鳴り響く度、辻野と小西が俺に「黙っててくれ」と口押しする。
…うんざりだ。
何で俺が、お前らの事に巻き込まれなきゃいけないんだ?
…鬱陶しい、もう寝ちまうか…
俺をこんな苛立たせてる二人は、俺の妹や親達と楽しそうに談笑している。
…もう知らん、寝る!
俺がそう思い、無言で茶の間を後にしようとしたその時、
また電話の着信音がけたたましく鳴り響いた。
また部員か?それとも小西の親か?
とりあえず俺はもう知らん!
俺が一歩、茶の間から出た時、母さんが電話を受けた。
そしてすぐに俺を呼ぶ。
傍らでは談笑していた二人が、俺が何か言わないかと見張っている。
…ここは俺の家だよな?
軽く溜め息をつきながら、俺は母さんから受話器を受け取った。
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