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はぁ、まーた嫌われた。
…ま、いいさ。嫌われてるのは今に始まった事じゃないし。
そこまで考えて、ふと思った。
― どうしてそれでも俺は、彼女を諦めない?
どうして俺は、こんなにも彼女が好きなんだ?
…簡単だ。答えは…
“彼女”だからだ。
あの笑顔も、時折見せる寂しそうな顔も…一身に絵を描いてる姿も、俯きながら歩く姿も…
全てがいとおしい。
彼女以外の誰かと、俺が望んだ“家族”は作れない。誰も、彼女の代わりになんかなれない。したくもない。
…これはもう、本能的なものに近くて…上手く言葉に出来ないけれど―
それに、俺の事を「どうでもいい」と思ってるなら、あんなに怒ったりはしないはず。…まだ間に合う、彼女を自分だけのものにするのは。
俺以外の誰も、彼女を幸せになんか出来ないのだから…。
俺は、今まで通り彼女に接する事にした。…いや、今まで以上に優しく…
だって俺には彼女しかいないから。…多分、いや確実にこれが“一生に一度の恋”だと判るから。
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