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そして文化祭を迎え―
俺達部員は、それぞれ数ページ分のイラストか、漫画を描き、それを小冊子にして配り、
それ以外に時間がある部員は、更にイラストを描いてそれは「売り物」として部室に飾った。
…ちなみに俺は、等身大の女の子の絵を描き、部室に飾っていたが、気が付いたら売れていた。
彼女は小冊子に、ちゃんとした「漫画」を描いていた。
ちゃんとトーン等を使った、本格的なものだ。
…本当に漫画家になりたくて、この部活に入ったんだな…。
そういう人間は数える程しか居ない。…他は何となくか、ただ絵を描くのが好きか漫画を読むのが好きなヤツばかりだ。
…俺もその一人だけど。
その頃から俺は、さりげなく彼女の手伝いをしたり、彼女が部活の最終時間になっても来ない顧問を呼びに行っている間に、彼女の荷物を片付けたりした。
…あの一件以来、やたら小西が俺に「相談に乗って欲しい」と言って来て、正直めんどくさかったが彼女の友達だと思い直して、話を聞いてやったりしていたが…。
折角彼女と一緒に帰りたいが為にバス通学にしたのに、小西まで一緒に乗って来て話を聞かされるもんだから…。
彼女と全く会話出来ない。
話を聞きながら、チラッと彼女を見ると、彼女は慌てて視線を反らす。
…ん?
そいいえばここ最近、彼女を見ると視線を反らされる。…って事は。
彼女が俺を“見ていた”…?
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