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「私がアンタを好きだからだよっ!!」
俺が掴んだ腕を振り切り、俺に向かい合うと同時に彼女はそう叫んだ。
一瞬、思考が停止する。
なのに、勝手に口は動いてしまった。
「知ってたよ」
「なっ…!」
彼女は咄嗟の俺の言葉に、明らかに動揺して口をパクパクさせている。
…最悪だ、俺から告白するつもりが…
その為になけなしの知恵を絞って、彼女との距離を埋めて来たのに。
― キーンコーンカーンコーン ―
無情にも始業の鐘が鳴り響く。
「…とにかく、続きは部活で…」
「…あ、う、うん…」
俺の予想外の返事に戸惑っていた彼女は、その言葉にハッとした顔をした後、納得のいかない表情を浮かべたまま、自分の教室に戻って行った。
…あ、しまった。
俺も教室に戻らないと。
…ヤバい、ニヤニヤが止まらない。
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