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いや待て、気のせいと言う事もある…。
俺は、それからいつも通りに過ごしつつ、彼女の様子を今まで以上に観察する事にした。
…確実に感じる視線。
ふとその視線の主を探すと…やはり彼女。
わざと彼女に背中を向けて部員と話している時などは、いつも以上に後頭部に感じる視線。
こっ…これはまさか…!
いや待て、焦るな俺。
もっとじっくり時間をかけて…
ここで早まった行動に出て嫌われたら…もう完全に立ち直れなくなる。
周りは俺の体格や顔で、勝手に「図太いヤツ」と言っているが、本当は違う。
…いや、彼女以外には確かにそうかも知れないが。だって彼女以外はどうでもいい、俺の人生に関係しない奴等だから。
彼女が特別なだけだ。
彼女にだけは離れて行って欲しくない。だから下手な行動には出れない、下手な事も言えない。
…彼女にだけは、俺は滅茶苦茶弱い。
だから…言えなかった。
“好意”を寄せてくれている・と気付いても…
俺はもっとずっと前から好きなのに、言えなかった。
好き過ぎて…告白なんか出来なかった。
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