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けれど―
最下層まで堕ちたら、後は上がるだけだ。
俺は少しずつ…本当に少しずつ、印象を良くする事に努めた。
さりげなく、彼女とその友達との会話に入ったり、本当は別に乗りたくもない、彼女の友達の相談に乗ったり…
全ては彼女に少しでも近づく為に。
彼女の“心”に触れる為に。
気がつけば―
俺の部活での位置は、「ムードメーカー」であり「何でも話せる」男子になっていた。
が…、哀しいかな、それは彼女「以外」の部員にのみ…だった。
彼女が俺に、少しでも以前よりは親しみやすくなったのかどうかは、
その時点では、周りに探りを入れても判らなかった。
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