第一章

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 いくら科学が発達しようと、西暦300X年の街にロボットの影は少ない。  仕事方面でのロボットないしアンドロイドの活躍は少ない。  アンドロイドは子供の産めない家庭等が主に購入する。  他に、介護の為にアンドロイドをケースもある。  つまり、アンドロイドは家庭用品なのである。  アンドロイドの精製には人工肌や人工臓器が使用され、ぱっと見人間と変わらない。  人工脳もあるので、思考すらも人間と変わらない。  成長も老化も、人間と同じく訪れる。  では人間とアンドロイドで何が違うか。  それは先ず食事関連にある。  アンドロイドは人工とは言えども、内臓を内部に搭載している。  よって、食物によるエネルギー吸収が必要となる。  エネルギーを吸収する機能を持つ機械の運転に電気も必要となる。  なので、アンドロイドは人間と同じ食事と、電気を必要とする。  人間よりコストパフォーマンスが少しばかり悪い。  そして、アンドロイドは生殖が不可能である。  たった二点、それだけの違いである。  そう、たったそれだけなので、アンドロイドにも日本国憲法は適用される。  人工とは言えども脳を持っているモノは、魂ある生物とみなされている。  よって、アンドロイドだけの家族というのも最近ではあまり珍しくなくなってきている。  生殖が出来なければ、人間がアンドロイド夫婦の子供を作れば良いのだ。  欲しくなければ、快楽だけを求めて子供を作らなければ良いのだ。
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