第一章

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「わっほっほーイ」  陽気に歌いながら、街を歩き家へ向かう少女が居た。  その少女の名は、竹倉香蔵(たけくら かぐら)。  アンドロイドである。  肩で切りそろえた短い艶のある黒髪。  大きな2つの黒瞳。  ふっくらした頬。  桜色の唇。  華奢な体躯。  ウィスパーボイス。  これらの装備をしているのが、アンドロイド竹倉香蔵である。  竹倉竹蔵の妹である竹倉香蔵は、竹蔵の願いによって創りだされた。  竹蔵は小さい頃、妹を欲しがった。  だが、親は既に子を産めない身体になっていた。  よって――――作ったのだ。  大枚をはたいて作ったのだ。  女の子のアンドロイドを。  それが彼女、二つ名がすっとこどっこいの竹倉香蔵である。 「今日もお姉様いますよネ多分」  お姉様とは、天夢桜子の事である。  香蔵は桜子の事を好ましく思っていた。
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