第2話

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地上の人間はもう半分以下。 そのうち絶滅危惧種になるに違いない。 ここまで人類を侵害した宇宙人は、本来なら憎むべき相手。 でも、私は最初から生きる希望を持ってなかったから、絶望もないに等しくて。 恨みも怒りもない。 だからこそ、思想のギャップに耐えられないでいた。 ペットというからには粗雑に扱われ、飽きたらポイ捨てされて食材行きか…愛玩道具ならぬ便器みたいに犯され破壊されるか…なんて、行く末を想像していたのに…この駄犬は。 一向に私を手放さず、家族や恋人みたく大事に扱うもんだから、たまったもんじゃないよ。 地球が崩壊する以前で言えば、ガディアは首脳陣の一人。 今、日本を牛耳ってる中でもめちゃくちゃ偉い宇宙人。 でもペット(私)には甘々で、ちょいオカマ口調の優しい変人で… こいつのせいで今頃になって、こんな贅沢な暮らしをする羽目になるなんて、全然思ってもみなかった。
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