第2話

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「はい、これに乗るんだよ。」 会場の入り口でガディアがチェックを受けて、二人掛けのソファに座らされる。 するとソファごと球体が周りを包み、ふわふわと浮き上がった。 「このままステージ近くまで移動するんだ。外側からは見えない仕組みになってるから、気にしないで寛げるよ。」 …ああ、マジックミラー的な? 確かに一面に沢山の黒い球体が浮かび、所狭しとひしめき合っている。 多分、あの球体全部に客やペットが乗ってるんだろう。 「はーるかちゃーん、お膝においでー。」 「…にゃん。」 ご主人様の命令は絶対服従。 一旦降りてからガディアの前に行って、自分からお尻を落とす。 「んー、可愛いぃー。」 そして、もふっとした腕の体毛に包まれる。 嫌いじゃないんだ。 恥ずかしいけど寧ろ最近は、これが気持ち良くて安心する私。 頬擦りされるのも、ボディタッチのコミュニケーションも、洗濯物がお日様に干されたような懐かしい、暖かなガディアの毛の匂いにも随分と慣れてしまった。
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