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「ちょ、痛い痛い!!」
両方からすごい力で引っ張られる。
救いの意を込めて柊と透琉を見るが、柊はあわあわしているし、透琉は巻き込まれたくないのかオムライスを掻き込み立ち去ろうとしている。
「おい、透琉…何お前だけ逃げようとしてんだよ! 」
「あ、お構いなく…」
「お構いなくじゃねぇよ!この状況見て何とも思わないんかよ、薄情者!」
「な、棗!俺は、どっちを引っ張れば良いんだ!?」
「柊待って!これどっちか引っ張ったら、確実に俺の肩が死ぬ!透琉を掴まえとけば良いから!!」
「貴方が潔く此処から退けば良いのですよ、庶民!」
「だ、だから!俺は棗さんと一緒じゃないと嫌なんだ!副会長が手を放せ!」
「薺は、何故このような庶民と居たいのですか!?」
色々な意味で目立つ奴らが、ギャーギャー騒いでいればやはり注目の的だろう。
何だ何だと野次馬も増え、食堂は収拾がつかない状態だ。
俺も両方からもみくちゃにされ、拒む気力も無くなってきた。
女の子だったらこの状況を楽しめただろうに、残念ながら2人とも野郎だ。
精神的にやられるだけだ。
もう、何でもいいから唐揚げを食わせてくれ!
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