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「じゃあねー!ほーほー!ちこくん!」
あの後、教科書が配布されたり委員会を決めたりしてあっという間に時間は過ぎ、黒南風(弟)は夜長先生が終わりを告げると直ぐに席を立ち教室から出て行った。
「あいつ、ネーミングセンス無さすぎだろ。」
ホスト君や遅刻魔君では、長いからと言って俺のあだ名を「ほーほー」透琉のあだ名を「ちこくん」とドヤ顔しながら、名付けてきたのだ。
「着眼点そこかよ。もう、何でもいいから食堂行こうぜー。ほら、柊が待ってんぜ?」
透琉が顎で示した先には、扉から教室を覗いている柊がいた。
本当に不良だとは、思えない健気さ。
そんな健気な柊の元に、早急に荷物をまとめ教室の扉に向かう。
「柊、待たせて悪かったな!」
「棗!」
「うわっぷ…。」
俺が侘びを入れながら柊に近づくと喜々として抱き着いてきた。
「おーおー。本当に懐いてんなー。」
「うるせぇ。ほら、柊も。食堂行くんだろ?ちょっと離れようか。」
「…分かった。腹減ったから早く行こう。」
柊は、意外とすんなりと離れ俺達3人は食堂へと歩き出した。
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