4章

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「~っ!ありがとう!!」 迷子はバッと効果音が付くほど、勢い良く頭を下げながらお礼を言うと、眼鏡が吹っ飛んだ。 今度は勢い良く顔を上げ満面の笑みを見せたが、ボサボサの髪で顔半分が見えない。 面白いが、顔が見れると期待した反面ちょっと損した気分になった。 「ぷっ、ぶくくく…お前面白いな。」 「おら、眼鏡。」 さっきまで怪しい奴と警戒していた透琉も、人見知り発動していた柊もさっきので緊張が解けたらしい。 良かった良かった。 「よし。んじゃあ、行くか!えーと…」 「あ、ぼ…オレ如月薺(キサラギ ナズナ)って言うんだ!宜しく!」 「如月か、よろしくな!俺は神無月棗。」 「柊霜月。」 「俺は田山透琉ってんだ!“なずな”って可愛い名前だな。」 「薺じゃなくて“如月”って呼んでくれ!!」 「何でだよ、可愛いじゃねぇか!な・ず・な・ちゃん。」 「ぐぬぬ…」 「透琉、嫌がってんだから止めてやれよ。ほら、如月もコイツを相手にするだけ無駄だから行くぞ。」 「おら、歩け。」 柊は、空腹の限界だったのか透琉のブレザーの後ろ襟を掴みズルズルと引きずりだした。
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