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「歩ける!歩けるから引きずんないで!モップになrすみませんすみません!」
目の前のやり取りに笑いながら、先に行く2人の後ろを歩き出す。
しかし、1人ついてきていない奴が…
「如月?」
「…はい。」
駄目だ。明らかにショゲている。
「…えーと、悪かったな。後で、あいつにも謝るよう言っとくよ。」
「え、い、いや…。オレ慣れてるから!気にしてねーよ!!」
明るく振舞ってはいるが、やはり無理しているように見える。
「俺は薺って格好いい名前だと思うけどな!」
「どこが格好いい!?」
如月は、俺の肩を掴み詰め寄ってくる。
俺は反射で若干目を逸らす。
食いつき方が半端じゃない。
「えーと、薺って薬草だろ?格好いいじゃねーか。七草粥とか…。
あ、ぺんぺん草!薺の別名ってぺんぺん草じゃん!俺あれ好きなんだよなー…あー……ごめん。」
如月の方を見ると、俯き肩を震わせている。
もしかして地雷だったか?
様子を伺っていると、小さく話し出した。
「薬草とか七草粥とか…ぺ、ぺんぺん草とか……全部…!全部小・中学生の時のあだ名!!」
「物凄くごめん!!」
俺は、地雷を完全に踏み潰したようだ。
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