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「でも、良かったぁ。オレ明日心細いなーって思ってたけど、棗達と同じ教室なら安心だ!」
えへへーとこちらを見て笑う。
こんな嬉しそうに言われると心が痛むが、やはり教えたほうが良いだろう。
「…あのよ、如月?残念だが俺達は、2年生だから同じ教室じゃねぇんだ…」
「え?」
やはり、分かっていなかったらしい。
学年を見分けるには、ブレザーの襟に付いているピンズか、分かりづらいが上履きも学年によって模様の色が違ったりする。
「え?マジで!?」
「マジだ。」
「そんなぁ!じゃあ、オレ明日1人で教室行かなくちゃじゃん!ちゃんと友達出来るかな!?うわっ、やべ緊張してきた……」
明日の事が本当に心配なのだろう。
如月は、テーブルに伏せてしまった。
「お前コミュ力あるんだから身だしなみさえちゃんとすれば、なんとかなるだろ。あ、オムライスこっちです!」
すっかり落ち込んでいる如月の耳に、透琉のフォローになっているんだか分からない一言は届いているのだろうか。
いや、届いていないな。
どうしようどうしようと、ずっと呟いていて料理を持ってきたウエイトレスが何処に置けば良いか困っているのにも気づいていないのだから。
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