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「そんなに心配しなくて大丈夫だろ。お前なら直ぐに友達できるさ。何かあったら俺達の所に来ればいいんだしよ。」
「…本当に?行ってもいい?」
「ああ。」
「また、明日も一緒にお昼食べてくれる?」
「ああ、いいぞ。」
「…へへっ。じゃあ、頑張ろ。」
うっすらと顔を上げた如月の背中を、宥めるようにポンと軽く叩く。
「 解決したか?早くしないと、柊がお前の天丼食っちゃうぞ。」
透琉の声に柊を見ると、置き場所に困っていたウエイトレスが持っていたであろう、如月の天丼を柊が受け取っているのが目に入る。
「あ、ありがとうございます…」
如月は、やっと顔を上げ天丼を受け取ろうとしているが、柊の目は天丼に釘付けで一向に離そうとせず、今にも食べてしまいそうだ。
「うぅ…オレの天丼!!」
如月は、ギリギリと歯軋りしながら柊の持っている天丼を睨む。
「柊、お前…。あ、ほら。お前の来たんじゃないのか?」
人の気配を感じウエイトレスかと思い見てみる。
「……いた。」
「薺!ここに居たのですね!」
そこに居たのは、ウエイトレスではなく黒南風(兄)と性格がキツそうなインテリ眼鏡だった。
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