4章

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「げっ。副会長…」 やっと柊から天丼を貰った如月は、あからさまに嫌な顔をする。 「副会長?」 ってことは、また生徒会か!! 俺は横目でインテリ眼鏡を見る。 これまで生徒会とは全然接触しなかったのに、今年になって書記庶務兄弟といい、この副会長といい、順調に生徒会の奴らと会っている。 遅かれ早かれSS寮に住むのだから、生徒会とは嫌でも接触するのだからいいが、極力関わりたくない。 「副会長だなんて、そんな他人行儀な…。薺、私の名前は先程も申した通り長月蘭(ナガツキ ラン)ですよ。蘭とお呼びください。」 にっこり笑い胸あたりに手を当て軽くお辞儀をする様は、さながら王子様のよう… なんて、女の子やコイツの親衛隊は、頬を染めて思うんだろうが如月は、「はぁ…」と気の抜けた返事をするだけだった。 完全に困っている。 「さあ、こんな所でお昼を食すのではなく、私と一緒にあちらの席で食べましょう。ウエイトレス、薺の料理を生徒会専用席へ…」 副会長は、俺と柊の料理を持ってきたウエイトレスに申し付ける。
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