4章

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生徒会専用席とは、奥の方にある階段を登ったところにある。 ウエイトレスは、俺達の料理を置き如月の天丼を持っていこうとする。 「お、おい、待てよ!俺は棗…さんとご飯食べるんだ!そうだよな、棗さん!」 如月は、天丼が乗っているお盆をぎゅっと掴み、いやいやと首を降る。 タメ口のままだが、名前に敬称が付いてちょっと感動したので、助け舟を出してやろうか。 「すみません。えーと、蘭さん?コイツは、もう食べ始めてしまってるし、食事の最中に出歩くなんて行儀悪いと思いません?また、後日ということで…」 あまり刺激しない様に言ったつもりだが、ふと長月蘭の方を見ると、さっきの笑顔とは違うどす黒いオーラを纏っていた。 「……蘭。」 空気と化していた黒南風(兄)が、長月蘭に目配せをする。 「何です……あぁ、コイツが。」 先程如月と話している時とは違う、胡散臭い笑顔になった。 しかも、「コイツ」って… 「庶民が私の名を口にして良いと言った覚えはありませんが…?」 「あ、そこっすか。だって、名前で呼ばれたいのかと思って…」 「それは、薺にだけです。」 「……スンマセン。」 これが格差社会というものか…
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