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助け舟を出したつもりが、全く歯が立たなかった。
何故俺が庶民だと知っているのか分からないが、少なからずさっきの発言で心のダメージを負ったということだけは分かった。
「…確かに、食事中に出歩くのは行儀よくありませんね。」
副会長は、やれやれといった感じに、一息ついた。
流れ的に諦めてくれそうだ。
如月もそれを感じ取ったのか安堵したようで、天丼を食べようとする。
「しかし、私は薺と食事がしたいのです。そして、私はまだ料理を頼んでいない。なので此処で食すことにします。さあ、退きなさい庶民。」
急展開。
諦めるどころか強行突破してきやがった。
如月も驚き目を見開く。
我関せずだった柊と透琉も、流石に驚いたのか揃って副会長の方を見る。
黒南風(兄)は、タッチパネルで品定めしている。
この人も此処で食べる気か?
周囲がざわざわとし出す。
アイドル的存在の生徒会2人が、此処で昼食を食べようというのだ。
主に嫉妬の視線が多い。
「さあ、薺だけ置いて早く退きなさい!」
「な、何すんだよ!オレは、棗さんと一緒がいいんだ!」
俺は、副会長と如月の両方から腕を引っ張られるような形になる。
周りがさらにざわつく 。
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