第1章

10/34
前へ
/34ページ
次へ
実際、T社の担当にはただ立っていることが目的のようなモデルスタイルの女性社員がいた。 蒲生はエレベーターのボタンを押しながら答えた。 「全員というと、女性はあなたを含めて4名でしたか。そこまではわたしも身が持ちませんよ」 どんなにいい男でも、こういう話では口元が下品にゆがむ。 4名の中では34歳のあやが一番年上だろう。 ではどうしてわたしを、と問いたかったが、それを言うとひどく癪に障る答えが返ってきそうなので、黙っておくことにした。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

430人が本棚に入れています
本棚に追加