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大層豪華な扉の前に少年は立っていた。少年は息を整え扉をノックする。すると若い女性の声が聞こえてきた。
「どうぞ?」
「失礼します。」
少年はお辞儀をしながら部屋に入る。と同時に体を捻り自分に向かって飛んできていた光線を避けた。
「あら?なかなかの危険察知能力ね。」
「・・・当たってたら死んでた。」
「あら?私、そんなヘマしないわ。ちゃーんと半殺しで済むようにしたから。」
物騒な事を笑顔で言う女性。容姿は栗色の髪に緑の瞳、そして腰に鞭を装備している。白いコートはこの学園の主である証だろうか?
「相変わらず、僕が嫌い?
アイシア・トレース先生。」
アイシア「そうね。」
アイシアと呼ばれた女性はクスリと笑って少年を睨む。
アイシア「当たり前でしょ?【異端の虐殺者】ソウヤ・ホシガネ。久しぶりね。何年ぶりかしら?」
ソウヤ「2年。貴女が僕を見捨ててからの時間から。でも、感謝してる。色々と。」
2人の間に流れる空気は再開を喜びあうそれではないようだ。
ソウヤ「それで?僕をこの学園に入れた理由は?」
ソウヤはめんどくさくなったのか空気を切ってアイシアに話しかけた。
アイシア「簡単なことよ。貴方、今回行われる【大聖剣祭】に出なさい。」
ソウヤ「・・・何の嫌がらせ?僕は2度と戦いたくない。」
アイシア「ふーん。でもいいの?貴方の求めているものに会えるのに?」
ソウヤ「・・・その話、本当?本当に【アレ】が?」
アイシア「ええ。今回の【大聖剣祭】の優勝賞品よ。ただしチーム戦のだけど。」
ソウヤ「・・・なるほど。つまり貴女の望む【アレ】も今回の大会に?」
アイシア「ええ。残念だけどこの学園の生徒だけじゃ不安なの。でも貴方なら強さだけは信頼してるわ。」
ソウヤは葛藤していた。自分の望むもの。【アレ】の破壊。それは自分の悲願の筈だ。迷うことはない。そう言い聞かせソウヤは首を縦に振った。
ソウヤ「わかった。」
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