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我が国の王宮従事者と同じ、
真っ黒の燕尾服を纏い、
黒いシルクハットを被った、
青白い肌をした男が、
私に深々と頭を下げた。
「初めまして、
サン王。
私は悪魔のゾロ。
貴方の夢を叶えてあげるためにやって参りました」
「あ、
悪魔だと?」
「はい。
ゾロとおよび下さい」
丁寧な自己紹介を受けたが、
この者の異様な雰囲気と、
発言に疑問を持たざるを得ない。
「貴様は一体何者だ?
悪魔だと?
そんな言葉、
信用が出来ない
おぬし、
ノワール国の者か?」
「そう仰ると思いました」
指先をパチンッと、
軽快に鳴らした。
紫色の瞳が一瞬火花を散らしたように赤く染まった。
途端に、
足に長年感じていた圧迫感が消え失せた。
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