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「かつての戦争で失った両足をお戻ししました。
さあ、
ご自身の足で歩かれてみては如何ですか?」
「な、
まさか、
そんなことが起きるはずが、無いだろう?」
疑問を投げかけたが、
かつて無いほどの軽さに足を消し去ったのかとおもい、
恐る恐る義足の付け根である膝に手を置いた。
すると、
感覚など無かったはずの場所から、
肌を擦る指先の感覚が脳へと伝わった。
繋ぎ合わせた、
硬い金属の感触は無く、
滑らかな凹凸膝の皿から下を形を確認するように擦る。
「...なんと!!」
覚悟を決め、
右足に力を入れて、
勢い良く車椅子から立ち上がった。
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