能ある鷹は爪を隠す

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能ある鷹は爪を隠す。 そんな言葉があったはず… ふと、そんなことを思い視線を下げる、 いま、現在の状況は秀徳高校対誠凛高校の試合。 残り時間は第3Qの1:09、点数は68:76で俺達秀徳の方が優勢。 そして俺は秀徳側のベンチに座っている。 おっと、話がそれた、 話を戻すと…ここで言う「鷹」とは「秀徳高校」のこと そして「爪」とは恥ずかしながら俺のこと。 それもこれも、俺は夏に行われた大会「I・H」(インターハイ)の時から温存されてきて、試合にも出してもらえなかった、 それもこれも、監督の「能ある鷹は爪を隠すんだよ、だからお前は待機だ」 とかいうバカみたいな言葉によって出場を許されなかったためだ やーっとお許しが出た… 顔を上げるとボールがちょうど外に出たところだった 審判の笛の音に反応して反射的に立ち上がる。 「いってこい」 後ろに監督の声を感じながら大きく深呼吸をする。 横に目をやると誠凛高校の黒子くんもコートインしているところだった うっし…いくか! 前髪を軽く結って視界を良くする トコトコと高尾が歩いてきた 「よぉ、やっとお披露目だな」 「ほんとだよ…いつから待ってたと思ってんだ…このうっぷん晴らしに行きますか…ってね」 「ほどほどにしろよ?また頭痛くなってもしらねーゾ?」 ポンポンと肩をたたきながら俺に忠告をする。 そんなことわかってる。 「行って来い如月一磨(きさらぎかずま)獲物をしとめてこい!」 俺の名前が監督の口から出る。 これでさらに気合が入った…
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