His little friends

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男は、出会ってから初めて大声で笑った。 「ああ、TE-27はいい車だ。 ――たしかにあいつにはもったいない」と、言い、 「参った。小学生に一本取られたな」と、続けた。 「嫌な奴がこの車を買うんだね。やっぱり怒ってるの?」 「いや、怒ってるわけじゃない。憤(いきどお)っているんだ」 「おい」 男は拳を握ると、ゆっくり彼に突きだし、おまえもそうしろとばかりに促す。 そして、彼が小さな拳をゆっくり突きだすと、ゴツゴツした拳で彼の拳をコツンと叩いた。 「な、なに?」 わけがわからず彼が聞いた。 すると、男は彼にこう言った。 「おまえが気に入ったんだ。 ――今日からおまえは、オレのダチ公って意味さ」
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