第1章

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春まだ浅い早朝,春分の日。 熊の助は前日の夜から夜間作業を行っている。 現場は町の中、日中は車や通行人が多く仕事は夜間作業になる。 数人の作業員の中にこの物語の主人公の熊の助が一緒に働いていた。 「おーい熊、今日はじいさんの墓参りに行けよ。」 「ふんわかったよ。」 熊の助は現場責任者から言われた。 熊の助はつふやく。 「そう言えばじいさんの亡くなった時も夜間作業だった。」 (チャプター1亡きじいさんの回想) その時は仕事が終わると現場責任者に呼び出された。 「おい熊,今日からお前は休みだ。」 「俺の顔見るのが嫌になったか。」 「さっき家から電話が亡くなったそうだ、急性心不全で。 そう言えばじいさん昨日名古屋から戻ったらしいが。お前つまらぬことをしゃべったんじゃないのか。」 熊の助は昨日のことを思い浮かべた。 「俺が家に帰ると猫のウメコが布団の上で寝ていた。」 熊の助は猫を追い出すためにステレオのスイッチを入れてボリュームを上げた。猫のウメコは音にびっくり慌て部屋の外へ逃げて行く。 「どれ服を着替え、朝飯でも食べてその後風呂だ。」 居間には母の茶飲み仲間も数人いた。
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