第1章

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「私たち子供だと思ってなめてるんだよ。 狸寝入りしてたんだから、ほらひいじいちゃん待ってるんだから。」 熊の助受話器を渡す。 すると。 「このバカ野郎、とっと電話に出ろ。 何いつまで寝てるんだ。 今すぐフェリー埠頭に迎え来い。」 熊の助は大声で怒鳴られ、電話は切られた。 「フェリー埠頭なんてどこに行ったんだ。」 「名古屋だ。」 「名古屋,船ごと高波に飲まれてしまえばいいんだ。」 「ああそんなこと言っていいと思ってんだ。」 すると窓から子供たちが顔を出した。 「おめら狸やホトトギスと何一緒にしてんだ。」 「いいから早く行け。 じいさん,虫の息が悪いと大変です。」 「あはは、そうだそうだそうだ。」 子供たちにもからかわれ服を来て車にむかい乗り込む、エンジンキーを回すと.異常な金属音が。」 「あれどこからだ、辺りを見渡す、と.」 CDラジカセのスイッチが入ったままだった. 「空気中の振動でこんな音がそうだ。」 金属音はアクセルを踏み込むとさらに大きくなった。熊の助はフェリー埠頭に着く祖父と仲間の老人たちが待っていた。」
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